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お客様の声

<インタビュー>新人事制度の運用により従業員の人生、さらには患者様・従業員のご家族の人生を豊かに

東大阪徳洲会病院


医療法人徳洲会 東大阪徳洲会病院(大阪府・東大阪市)では、2022年4月より、人事評価シートの導入がスタートしました。世界中に脅威をもたらしている新型コロナウイルス感染症感染拡大を機に、今まで当たり前だと思っていたことがどれだけ有難いことであったかを私たちは痛感しました。法人理念である、『生命を安心して預けてくれる病院』『健康と生活を守る病院』であり続けるために、何事にも、有難うと言える従業員を育てたい。そのための手段として、人事評価シートの導入が必要とご決断され、従業員の皆さんが働きやすい職場環境作りを目指して、現在、新人事制度を運用されています。社会の動向を踏まえて踏み出した第一歩。そこにかけた想いや今後の展望について、院長 橋爪 慶人 様(以下、橋爪様)、事務長 住友 章文 様(以下、住友様)、看護部長 藤本 圭子 様(以下、藤本様)、総務部総務課主任 西田 玲 様(以下、西田様)にお話を伺いました。
※写真左から、住友様、西田様、橋爪様、弊社コンサルタント

新型コロナウイルス感染症感染拡大を機に人事評価シート導入を決意

―人事評価シート導入に至ったきっかけ・背景について教えてください。

住友 様 :兼ねてから「従業員が長期的に勤務できるような職場環境を作りたい」「全ての従業員が偏見や格差なく、和やかに勤務できる職場環境を作りたい」と考えていたなか、世界中に脅威をもたらしている新型コロナウイルス感染症感染拡大は、私たちが人事評価シートの導入を決断する大きなきっかけになりました。新型コロナウイルス感染症感染拡大は私たちの生活様態にも大きな変化をもたらし「ヒトとヒトとの繋がり」は希薄化してしまいました。

何となくこれまでとは違う雰囲気に包まれている職場環境を変えるには、まず、「ヒト」に関連する制度を変えることが大切だと考えました。「ヒトとヒトとの繋がり」の中で大切なことは相手を思いやる気持ちです。これまで当たり前だと思っていた日常が当たり前ではなくなった時、小さなことにも感謝できるようになりますよね。あらゆるものごとに感謝し、相手を思いやり行動する、そんな従業員が1人でも多く育ってほしいと思い、約1年前から院長や看護部長、私の口から従業員に私たちの思いを伝えてきました。一方で、その思いの実現度合いを計測する物差しがありませんでした。そのため、人事評価シートを導入することにしました。

―朝礼では皆さんの口から直接、従業員の皆さんに思いを伝えてこられたんですよね。

住友 様 :はい。現在は、人事評価シートという物差しをもとに、まずは従業員1人ひとりに自己評価をしてもらっています。その自己評価を踏まえ、項目ごとに既に実現できている従業員にはしっかりできていることを伝え、一方で、もう少し改善してほしい従業員にはアドバイスを伝えていく予定です。

医療法人徳洲会 東大阪徳洲会病院では年に2回、看護部主導の研修も実施しているため、今後は従来の研修と新人事制度の運用を並走させて、ステップアップしていきたいです。

従業員の人生が幸せになることこそ良い職場環境・病院作りの第一歩

―新人事制度を運用するうえで大切にされてきた軸は何ですか?

橋爪 様 :最も大切にしてきた軸は「働く従業員の人生が幸せになること」です。病院では、患者様を看取る場面が多くあります。全国に多数の医療機関がある中、患者様とのご縁には何か意味があるはず。そこで、患者様に「医療法人徳洲会 東大阪徳洲会病院で人生の最後を迎えることができて良かった」と思っていただけるようなサービスを提供できるかが大切だと考えています。患者様にこのように思っていただくには、やはり、「働く従業員の幸せの度合い」が肝になってきます。なぜなら患者様の人生の最後を看取るのはご家族であり従業員だからです。そのため、「働く従業員の幸せの度合い」が高まるような職場環境作りのベースとなる新人事制度が必要だと考えました。はじまりは従業員の人生が幸せになること、そこから患者様や従業員のご家族の幸せに繋がり、そして広がっていくと嬉しいです。

―新人事制度を運用して良かったことを教えてください。

橋爪 様 :私たちが従業員に対して「こうあってほしい」と考えている思いと、人事評価シートの項目を合致させることができたこと、そして、新たな評価項目に従業員がきちんと目を通して自身の言動の変化に積極的な姿勢を見せてくれていることです。実際に、評価項目について「この項目にはどのような思いが込められていますか?」という質問を従業員からいただくことがあります。それは私たちにとって、非常にうれしいことでした。

足並みを揃えた運用は難しくもあり、良い職場環境作りへの大きな一歩

―人事評価シートを導入するうえで難しかったこと・苦戦したことを教えてください。

住友 様 :人事評価が変わると聞くと、厳しくなるのではないか?攻撃されるのではないか?という考えが誰しもよぎりますよね。そうではなく、あくまで従業員が働きやすい環境、従業員の人生が幸せになるような職場環境を作るために整備を進めているということをどのように従業員に伝えていくか、表現の仕方には難しさを感じました。

西田 様 :私もこの人事評価シート導入に至った背景や込めた思いを従業員にどのように伝えたら齟齬なく十分に伝わるのか、そこには難しさを感じました。

藤本 様 :私たちの思いを知っているということと、理解して実際に言動に落とし込むということは違いますし、何より言動に落とし込むことを部署単位ではなく病院という大きな組織全体で足並みを揃えて進めていくことに難しさを感じました。全員が同じ方向を向いていたとしても、単に母数が大きくなればなるほど足並みを揃えて動くということは難しいですよね。人事評価シートを作成したことに満足するのではなく、これから全員の足並みを揃えて運用していくことに難しさを感じるとともに、良い職場環境作りへの大きな一歩に繋がるとわくわくしています。

新人事制度の運用はスタートしたばかり、さらなるステップアップを目指して

―さいごに、新人事制度を活かした今後の目標・ビジョンを教えてください。

橋爪 様 :今回、運用をスタートした新人事制度は完成形ではありません。まずはベースとなる部分ができたため、今後、さらに議論を深めていく中で軌道修正を図りながら、よりステップアップを目指します。また、従業員に対してすぐにそれぞれの評価項目に○が付くような急速な変化を求めているわけではなく、何度も評価項目を目にすることで自然と言動に変化が見られることを期待しています。そうやって従業員が働きやすい職場環境・病院へと一歩一歩歩んでいきたいです。

もしかすると、私たちの思いは人事評価シートに落とし込むべきではなかった、もっと別の形で伝えるべきだったという話に将来なるかもしれません。それでも、正解が分からない中でまずは、私たちをはじめ、従業員皆で話し合ったうえで病院全体のために一歩踏み込んだ挑戦に取り組めたこと、そこに意味があると考えています。

私たちの思いを形にすること、それをゼロから作成していくことは大変なことであり、滅多にあることでもありません。この大きな一歩をプロの手を借りて、CBグループの皆さんと共に歩めたことにも満足しています。当初、恐らく難しさもあったと思いますが、私たちの思いを真摯に受け止め、ベースを共に作成してくれました。まだまだベースをもとに運用をスタートしたばかり。良い職場環境・病院作りに向けて、さらなるステップアップを目指します。