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お客様の声

<インタビュー>職員の”豊かな心”を育む新人事制度。「地域で一番に選ばれる病院」を目指して

医療法人狭山ヶ丘病院


2022年4月より、医療法人狭山ヶ丘病院(埼玉県・狭山市)では、新人事制度の運用がスタートしました。各部門の部分最適に重きを置いたマネジメントから一転、各部門が協力・連携して、同じ方向を向いて進む方針へとシフトチェンジを決めました。「職員が働きやすい職場環境作り」を目的に、基本理念である「豊かな心で自己実現を図り、患者満足度を高め、社会に貢献する」を軸に構築した新人事制度。そこにかけた想いや今後の展望について、理事・事業統括部長 鈴木 伸行 様(以下、鈴木様)、看護部長 古川 直子 様(以下、古川様)にお話を伺いました。

部門ごとではなく病院全体で目指す目標へとシフトチェンジ

―新人事制度の構築・運用に至ったきっかけ・背景について教えてください

鈴木 様 :医療業界は、資格社会でもあり、他業界と比較してセクショナリズムに陥りやすい側面があります。以前は、この点をあまり課題とは認識しておらず、むしろ、各部門の部分最適を良しとして、それぞれを競わせるような形でマネジメントを行ってきました。一方で、一律で昇給する給与体系への疑問や、各部門間での連携強化に向けた改善の声があがり始めたことをきっかけに、これまでとは一転、「職員が働きやすい職場環境作り」を目的に、病院全体が同じ方向を向いて取り組む姿勢が大切だと考え始めました。

そこで、当院が目指している姿や、求めている人材像等を盛り込んだ年度目標を掲げました。しかし、病院全体の指針を掲げるだけでは、職員は具体的なアクションに落とし込むことが難しく、なかなか機能しませんでした。そのため、目標管理プロセスに踏み込んだ人事制度の構築・運用の検討を始めました。

新人事制度を構築するうえで、法人の基本理念が最も大切

―新人事制度を構築・運用するうえで大切にされてきた軸は何ですか?

鈴木 様 :「豊かな心で自己実現を図り、患者満足度を高め、社会に貢献する」という、当院の基本理念を大切にしました。ここで謳う”豊かな心”とは、病院に勤務する全ての職員が、相手を思いやり、認め合い、そして尊重し合うことができる心を指しています。職員一人ひとりが”豊かな心”を持つことで病院の中に居心地のよい空間が生まれ、患者様やそのご家族が安心して心を休め、心の健康を回復するお手伝いができると考えています。

それを実現させるために、まずは、職員の”豊かな心”を育むこと、基本理念を軸とすることを大切にしました。

医療法人狭山ヶ丘病院 理事・事業統括部長 鈴木 伸行 様

制度による明文化は、目標達成への意欲・意識向上に繋がる

―新人事制度を構築・運用して良かったことを教えてください

鈴木 様 :今回、運用をスタートした新人事制度は、「職員が働きやすい職場環境作り」を目的とした一つのツールですが、一方、業務効率化や質の向上という側面で、当院にとっても、職員にとっても、大きなメリットがあったと感じています。特に、職員それぞれが、年度内に何をどこまでやるのか、具体的な目標管理プロセスが明確になったことや、各部門における役割期待が明確になったことが良かった点だと感じています。また、職員に対し、病院が何を期待しているか、どの部分を伸ばしていってほしいと考えているか、が明確になったことも良かったと思います。

古川 様 :狭山ヶ丘病院オリジナルの新人事制度を通じて、求めている人材や、経験年数に応じて目指してほしいゴールが明確になったことは良かった点だと感じています。さらに、それらを病院全体の共通認識として持てたことを嬉しく思っています。

―新人事制度の運用には、職員の皆さんも積極的な姿勢を持たれているんですよね

古川 様 :はい。今回、新人事制度を通じて、目指す指針や、求めている人材が明確になったことで、部門ごとではなく、病院全体の目標達成に向けた行動が出てきました。一人ひとりの仕事へのモチベーションも向上しており、部門を超えて連携するという意識も芽生え始めました。

鈴木 様 :自分自身の目標と成果、その達成プロセスについて、きちんとアウトプットができること。さらに、管理職は部下のアウトプットをもとにきちんと評価して、良かった点や不足している点をフィードバックできること。これらは医療従事者に限らず社会人として必要なスキルの一つです。将来のキャリアアップに向けて、このスキルはきちんと身に着けてもらいたいと思っていますし、この機会を是非、自分自身のために役立ててほしいです。

各部門・等級に合わせて制度の内容を細分化する過程や、想いの明文化には苦労も

―新人事制度を構築・運用するうえで難しかったこと・苦戦したことを教えてください

鈴木 様 :年度目標は、病院全体で目指す目標と、各部門で目指す目標と、大きく2つに分けられます。後者については、役割期待は部門の数だけありますし、職員それぞれの等級やどこまでやるかも異なるので、細分化して決めていく必要がありました。それは、私たちだけではとても作れるものではなく、苦労しましたし、CBコンサルティングにお願いして良かった点でもありますね。

古川 様 :新人事制度構築にかける想い等を上手く整理することや、言葉にすることに苦戦しました。そこを明文化する過程においては、CBコンサルティングのコンサルタントの方にとても助けられました。

「地域で一番に選ばれる病院」を目指して

―さいごに、新人事制度を活かした今後の目標・ビジョンを教えてください

鈴木 様 :新人事制度を構築するうえで、「対患者」「対従業員」「対地域」という3つの視点を大切にしました。これらは私たちが基本理念に沿ったサービスを提供していくなかで、私たちに求められている視点として、大きな気付きとなりました。改めて、基本理念を軸に、これからも「地域で一番に選ばれる病院」を追求していきたいです。

古川 様 :今回、「対地域」という視点のもと、地域における医療法人狭山ヶ丘病院の機能や役割について、改めて意識付けができたと感じています。「地域で一番に選ばれる病院」を目指すなかで、私たちが地域に貢献できることを見つけ、実践していくきっかけになると嬉しいです。