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スタッフコラム

【2022年】調剤薬局M&A市場における円安の影響について


2022年のトピックスとして大きくニュースとして取り上げられて事項の一つとして「円安」があるのは、皆さまの記憶にも新しいのではないでしょうか。コロナ禍やウクライナ情勢とあいまってもたらした「超円安」は、20年振りの水準となりました。
調剤薬局業界において、円安の影響はあるのでしょうか?

薬局業界において円安は表面的には影響がないように見える?

専門家でも事前に予測出来なかった今回の円安。
円安そのものによる直接的な影響もさることながら、多くの業界において円安がもたらす原材料費の高騰が経営を圧迫しています。

一方、調剤薬局を運営するなかで、円安の影響を感じることはあるのでしょうか。
調剤薬局の利益は調剤技術料と薬価差益で成り立っています。
技術料も薬価も、どちらも国が定めたものであり即座に円安や材料費の高騰の影響を受けるものではないように感じます。

実際の経営者様からのリアルな声

日々お会いする薬局経営者の方に、「円安の影響」についてヒアリングを行いました。

  • 影響は実感しない
  • 燃料費(ガソリン代)の高騰くらいだろうか

このようなお声が多いなかで、一部の薬局経営者様からは原材料費の高騰の影響を危惧するご意見をいただきました。

  • 漢方を扱っている薬局からは、中国から「生薬」が入って来ない
  • 卸業も営んでいる薬局からはPTPシート(錠剤の入れ物)の値段が、かなり高騰している

調剤薬局に直接的な影響はあまりなくとも、周辺業界への影響は大きい様子です。

調剤薬局は「何業?」

日々患者さんと接している薬局業界の皆さまにはあまり実感がないのではと思うのですが、病院、クリニックが産業分類上「医療業」に該当する一方、調剤薬局は「医薬品、化粧品小売業」に分類されます。

小売業に分類される以上、利益を考えるうえで商品の「仕入価格」は最も重要な要素となります。
商品である「薬」が原料価格高騰の影響を受ける前提で考えると、遠くない未来、調剤薬局の経営も影響を受けることが想定されます。
具体的には仕入れ価格の交渉がこれまで以上に厳しくなるという形で影響が現れるのではないでしょうか。

M&Aへの影響

これまでの話をまとめますと、円安の影響で原材料費が上がり、結果薬の仕入れ価格が高くなり粗利率が下がるという話となります。
これが業界全体で起こるとすれば、譲渡対象薬局の利益率が下がり、譲渡価格も下がるということになります。
それだけでなく、利益率の低下は買い手の買収体力も奪います。
買い手からの価格提示もこれまでと比較して下がることとなるでしょう。


このような変化は突然劇的には現れず、少しずつ、いつの間にか、

「なんか利益率下がったよね」
「仕入難しくなったから仕方無いよね」

このように、結果だけ目の前に残る形になります。
唯一打てる手立ては「影響が具体化する前に譲渡を実行する」ことです。
現在譲渡をご検討されている方、迷っている方は、ぜひ一度CBコンサルティングへご相談ください。