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スタッフコラム

地域のライフラインである『薬局』の存続について


薬局運営は処方元、患者様などの多くのステークホルダーを有する事業であると同時に、地域のライフラインも担っています。御社の調剤薬局を地域に永続的に存続させていくために、現在と将来を見据える必要が薬局経営者には求められます。

薬局事業を存続させる意義とは

調剤薬局には多くのステークホルダーがいます。そのなかでも門前医療機関がある場合、処方元の運営方針は薬局側へ大きな影響を与えるのは想像に難くありません。

処方元と一緒に閉院を考えているという薬局経営者の話を良く聞くことがありますが、本当に処方元は一代(もしくは現院長の代)で閉院する意向なのでしょうか?
院長のご子息やご息女、婿さんが戻ってくる、はたまた第三者へ承継させるなど、クリニック側が地域のライフラインとして存続の道を決断された際に、薬局側の運営方針は定まっているでしょうか。

経営者であれば、さまざまな状況や場面に応じた選択肢を持つことは必須であり、薬局というライフラインを維持してくためにも当然のことだと考えられます。

薬局を存続させる3つの手法について

では、薬局を存続させる方法、ズバリ「後継者」について考えてみたいと思います。後継者候補は大きく3つに分類されるのではないしょうか。
各候補ごとにメリット、デメリットを記載していきます。

1.親族承継
一番スタンダートな承継方法です。現オーナーのご子息や血縁者が引き継がれることで、今までの経営環境を大きく変えることなく、薬局が抱える多くのステークホルダーからも理解は得られやすいのではないでしょうか。
一方で、承継される側の血縁者の承継意思に対し相違がないかについて、確認をする必要があります。また薬局経営独特の部分として現オーナーがライセンス保有で、後継者が非ライセンス保有の場合は、ライセンス事業である薬局経営において現オーナーとは異なった従業員コントロールが必要になってくることも理解する必要があります。

2、従業員承継
親族の次に浮かぶ方法としては、現従業員への承継でしょう。既に内部を熟知している従業員であれば承継もスムーズに進められる可能性は十分にあります。
一方で、現従業員が承継を希望する場合は稀だということも、頭にいれなくてはいけません。仮に事業承継の希望がある従業員を採用する場合、時間も労力も必要となってきます。また、承継させる従業員はあくまで第三者であるという点にも注意が必要です。
承継にあたって「金銭」の話は切っても切れない関係です。金の切れ目は縁の切れ目とならぬよう注意を払うことも忘れずに。

3、第三者承継
薬局業界でもこの手法はスタンダードになってきています。少し以前は「M&A」という単語にアレルギー反応を起こす方も少なくありませんでしたが、昨今の業界再編の波にあっては第三者承継の認知も高まっています。
第三者承継のメリットは、相手を選べるという点ではないでしょうか。一般的にはM&Aを専門とする仲介会社の知見を利用することで客観的、かつ正当な評価を得て、円滑な事業承継をすすめられることは地域のライフラインを存続させるにおいても有効な手法です。
留意する点としては、仲介会社の良し悪しで大きく承継の流れが変化するという点です。委託する仲介会社は薬局事業へどれだけの知見や実績を有しているのか。買手候補は何社いるのか。こういった観点で仲介会社を選択することをおすすめします。

年末年始のタイミングだからそこ、将来を考えてみませんか

2022年も残すところ、あとわずかになってきました。この一年間は皆さまにとってどのような一年間だったでしょうか。
薬局業界では2022調剤報酬改定にはじまり、オンライン診療や電子処方箋などの推進、また市場ではクラフト社や日医工社などのADR申請など、激動の一年でもありました。

年末年始も業務に追われているという経営者の方もいらっしゃるとは思います。ただ、先々を見据え、現状を把握するということも、重要な業務だと考えられます。

薬局という地域のライフラインを維持していくため、将来へ向けた事業存続についても一考していただく時間を取ってみてはどうでしょうか。その際に本内容が、貴社存続の一助となれば幸いです。