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スタッフコラム

調剤薬局M&Aの失敗事例とポイントまとめ


M&Aは、全て成功するわけでなく、最終的に失敗に終わるケースもあります。よってM&Aを成功に導くためには、過去の失敗事例から学ぶことが大切です。
そこでこの記事では、M&Aを失敗に終わらせないために、失敗したM&Aにおける失敗の原因などを解説いたします。

調剤薬局のシェアと業界の動向

調剤薬局は中小事業者が多数を占める業界です。
大手調剤薬局の市場シェアも高まっていますが、大手合計でも十数%の市場シェアに留まるといわれています。

しかし国内人口のボリュームゾーンである団塊の世代の引退により、これまで中小調剤薬局の経営を担っていた薬剤師の引退が始まっています。

それに伴い大手調剤薬局が中小調剤薬局を傘下に入れる動きも強まってきており、M&Aの市場は活発に行われています。

調剤薬局M&Aの失敗例

M&Aでは、成功事例が表に出ることが多いですが、失敗事例も多く存在します。
調剤薬局M&Aにおいて、失敗の代表的な原因についてご紹介いたします。

  • 経営の悪化が原因の失敗
  • 人材の離脱が原因の失敗

経営の悪化が原因の失敗

買収前は問題なく運営されていた企業が、買収された後に経営が悪化し、結果的にM&Aが失敗に終わるケースです。

企業の売却により前経営者が経営を離れることで、前経営者の顔(人脈)などで繋がっていた仕事がなくなるというケースが該当します。

また買収前から企業の財務内容が債務超過などで悪化しており、買収されたことで経営実態が明らかになった、というケースもあります。

これらは、専門家の力を借り、事業及び財務のデューデリジェンスを行うことで、回避できる可能性は高くなります。

人材の離脱が原因の失敗

被買収先企業において、それまで所属していた社員が買収を機に会社を辞める事態が続発しては、被買収先企業の価値が半減します。

このような事態を避けるためには、M&Aが決まった後、被買収先の社員との丁寧なコミュニケーションが必要です。

被買収側企業の社員を見下すような態度を取れば、残るのは反感しかありません。

その結果、被買収側の社員が一斉に会社を去り、被買収側企業の業務継続に支障が生じる可能性すらあります。

被買収側企業の社員を維持したままM&Aを成功させるには、買収決定後に被買収側企業の社員とのコミュニケーションを丁寧に行い、買収後もそのまま会社に残れるような(残りたいと思わせるような)、体制及び雰囲気作りが不可欠です。

調剤薬局のM&Aのメリットとデメリット

調剤薬局のM&Aには、買い手と売り手の双方にメリットとデメリットがあります。
詳細をみていきましょう。

買い手のメリット・デメリット

調剤薬局のM&Aを行う買い手の最大のメリットは、スピーディーな事業拡大ができる、という点にあります。

新規出店の場合はゼロからの店舗立ち上げとなり、事業を軌道に乗せるまで相当な時間が必要です。
しかし既に事業が成立している企業の買収を行うことで、スピーディーな事業拡大が可能です。

一方でデメリットとしては、M&A後の事業統合の難しさがあげられます。

M&Aは実行してからが本番ともいわれます。

M&A後に買い手側企業と売り手側企業がバラバラのままなら、M&Aのメリットは半減します。よってM&A後に同じグループとしてのシナジー効果を発揮するための様々な施策が必要です。

売り手のメリット・デメリット

調剤薬局のM&Aを行う売り手のメリットとしては、事業承継が可能となる点があげられます。

経営は健全な状態ながら、子供や社員などに後継者がおらず廃業せざるを得ない企業も多く存在します。

廃業は取引先にとっては売上先・仕入先が無くなり、また社員は他の働き先を探す必要が生じるため、本来的には望ましい決断ではありません。

M&Aを利用して事業承継を行えば、そのまま事業継続が可能です。

一方でデメリットとしては、売却先は限られる、という点があります。

通常のM&Aでは同業のみならず他業種によるM&Aもあり、多彩な選択肢があります。

しかし調剤薬局は薬剤師という専門職を必要とする事業であり、同業者間のM&Aが殆どです。

よって売却を希望しても選択肢が少なく、希望する会社や金額での売却ができない可能性もあります。

調剤薬局のM&Aを失敗させないためには

調剤薬局のM&Aにおいて失敗を防ぐためには下記3点が重要です。

  • 売却のタイミングを逃さない
  • 売却の相場を知っておく
  • 売却についての無料相談を活用する

売却のタイミングを逃さない

M&Aはタイミングが非常に重要です。

買い手側企業の買収意欲が旺盛な場合でも、リーマンショックや新型コロナウイルス問題などが発生すれば、買収意欲は一気に消滅します。

売却のための条件交渉は当然必要ですが、タイミングを逃さない、という視点も必要です。交渉が長引いた結果、買い手の意欲が後退して話自体が無くなった、というケースはM&Aでは一定程度発生します。

売却の相場を知っておく

企業の売却側は売却が初めてのケースが殆どですが、買収側は複数の買収を手掛けているケースもあります。

また売却側は愛着ある企業の売却に際し、相場より高い値付けをするケースが殆どですが、M&Aにも一定の相場観が存在します。

よって相場を無視した価格設定では買い手は現れません。
企業の売却を決める際は、会社の売却価格について、一般的な相場観を持った上での交渉が必要です。

売却についての無料相談を活用する

企業売却を単独で進めることは困難です。

最初の段階で実際に売却が可能なのか、また売却の際の想定価格など、客観的な意見を踏まえた上で検討を進める必要があります。

CBコンサルティングでは企業売却を希望するお客様に対し無料相談を行っています。
調剤薬局M&Aを多数手がけているため、経験に基づいて客観的なアドバイスが可能です。

事業承継などで企業売却を検討の際は、簡単な内容でも結構ですので、まずはお気軽に無料相談サービスをご利用ください。

まとめ

調剤薬局のM&Aでは比較的小規模な企業の売却も行われますが、M&Aに際し留意すべき事項は企業の規模はあまり関係ありません。
よって中小事業者の場合でも、M&Aを行う際に注意すべき点を知らなければ、M&Aが失敗に終わっても不思議ではありません。

企業の売り手側及び買い手側のいずれも、M&Aの失敗はお互いの不幸の種です。
M&Aを成功に導くために、他社の失敗の原因を理解した上でM&Aの検討を行ってはいかがでしょうか?