000 %

スタッフコラム

令和5年4月1日からの診療報酬上の特例措置とは


2023年4月1日からオンライン資格確認導入が原則として義務付けられます、2023年4月は、本来であれば報酬改定の年ではありませんが、医療DXの推進のために、オンライン資格確認の導入や普及に関する加算のために、また、後発医薬品の安定供給問題が続くため、診療報酬上の特別措置が行われます。

オンライン資格確認の導入や普及に関する加算に関する特例措置

医療DXを推進させ、オンライン資格確認の導入や普及を目指すために、特別措置がとられます。
オンライン資格確認システムは、運用開始時期までに間に合わない医療機関が多くみられるため、保険利用機関における初診時および再診時ならびに保険薬局における調剤時について、医療情報・システム基盤整備体制充実加算1の評価を見直し、再診時に診療情報を活用して診療等を実施することについて新たな評価を行う特別措置です。

経過措置期間は、令和5年4月~令和5年12月までの9か月間が適用されます。

医療情報・システム基盤整備体制充実加算の加算点数

マイナンバーカードを利用時の具体的な加算点数は下記の通りです。

【調剤】
マイナ保険証を利用しない場合 現行3点 →特例措置4点(+1点)
マイナ保険証を利用する場合  現行1点 →特例措置1点(±0点)

在宅の患者様はマイナ保険が使えないため、令和6年4月をめどに、委託同意取得型のモバイル端末が運用開始ができるように開発が進められております。

医薬品の安定供給問題を踏まえた診療報酬上の特例措置

医薬品の供給が不安定な状況を踏まえ、特別措置がとられます。
患者様への適切な薬剤の処方や、保険薬局の地域における協力促進などの観点から、保険医療機関や保険薬局に対し、加算が行われる特別措置となります。

具体的には、薬局での調剤に関する「地域支援体制加算」について、後発医薬品の使用促進を図りながら、地域の保険薬局が協力しつつ、医薬品の安定供給に資する取り組みを実施する場合の要件および評価が見直されます。

【追加施設基準】

  • 地域支援体制加算に係る届出を行っている保険薬局であること
  • 後発医薬品調剤体制加算に係る届出を行っている保険薬局であること
  • 地域の保険医療機関・同一グループではない保険薬局に対する在庫状況の共有、 医薬品融通などを行っていること
  • 上記に係る取組を実施していることについて当該薬局の見やすい場所に掲示していること

経過措置期間は、令和5年4月~令和5年12月までの9か月間が適用されます。

地域支援体制加算の具体的な加算点数

地域支援体制加算の具体的な加算点数は下記の通りです。
届出区分 点数 後発医薬品
調剤体制加算1・2
後発医薬品
調剤体制加算3
地域支援体制加算1 39点 40点(+1点) 42点(+3点)
地域支援体制加算2 47点 48点(+1点) 50点(+3点)
地域支援体制加算3(※) 17点 18点(+1点) 20点(+3点)
地域支援体制加算4(※) 39点 40点(+1点) 42点(+3点)
※特別調剤基本料算定薬局:所定点数の80/100
※( )内点数は既存点数をベースにした加点点数。

今後、現場で行っていくべきこと

オンライン資格確認については患者さま負担が増えるため、普及の観点からいうとカウンター営業をおこなっていく必要があります。
また医薬品供給不足に対する加点先が地域支援体制加算取得先と限定している点については賛否あるかもしれませんが、エビデンスとして客観的に評価する基準を明確化したということでしょう。
今後、地域支援体制加算取得がひとつの基準となり得ることから、未取得先薬局が生き残るには何かしらの判断をすることが必要になるのではないでしょうか。

判断に悩まれる際はご相談いただけると幸甚です。

【関連記事】
2022年の薬局業界は変化の年!気になる話題を総まとめ
オンラインで処方薬が自宅へ、アメリカで注目のアマゾン薬局とは?
Amazon薬局が日本へ本格的参入。日本の調剤薬局は何をすべきか